昇降機メンテナンスについて

適切なメンテナンス作業を行っていれば、昇降機の寿命は20～25年とされています。メンテナンス作業とは、次回点検する時までの安全・品質を保証するものです。車に車検があるように、昇降機にも年に1回の「法定点検」を行う必要があり、その検査結果を特定行政庁に報告する義務があります。また一般的に、1ヶ月に1回は任意の「定期点検」を行います。昇降機の性能と安全をいつまでも確保するためには、定期的なメンテナンスを行う必要があります。

月1の定期点検は、日本建築設備昇降機センターが発行する「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」に基づいて行われます。定期点検では昇降機を一時停止し、機械室で点検、調整、清掃、グリスアップを行います。 また、カゴ内蛍光管、押しボタン、パイロットランプなど、消耗品や部品の交換も行われます。

定期点検の項目には、機械室環境状況の点検、制御盤の点検・調整、巻上機の点検・給油、調速機の点検・注油、ブレーキ点検・調整と注油、乗場選択器の点検・注油などがあります。

年に1回行われる法定点検は、国土交通省令で定めるところにより、昇降機等検査員に総合的な検査をしてもらいます。昇降機を安心して使う事ができるように実施している保守点検が、正しく行われているか、というのを確認します。検査後は定められた報告月までに、管轄の行政庁へ検査結果を報告する義務があります。万が一報告しなかった場合や虚為の報告をした場合は、50万円以下の罰金が科せられます。

建物の維持管理費の中で、大きな割合を占めるのが昇降機の維持費用です。メンテナンスや修理費用はできるだけ抑えたいと考える事でしょう。しかし、昇降機は時には人の命に関わる存在です。高い技術と知識を持つメンテナンス会社をお選びください。